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あとがき


最後まで読んでいただきありがとうございました。
2019年11月2日に始まった今作は思ったより長く続いて2022年8月9日に完結を迎えました。
元々の想定は開始から2年半後ぐらい、今年の5月ごろを予定していましたが少しはみ出る形になりました。
とはいえ無事走り抜けられたので御の字です。
新都社に来た当初の2013年頃にこういう作品を作りたかったのですが実力不足で断念、
それから長期計画で絵の上達を図りながら当初から描きたかったものに約9年がかりでたどり着けました。
ひとしきり描きたいものは描いて満足できたので今作の完結をひとつの区切りとしたいです。
約9年間ありがとうございました。


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────各作品の振り返りとか────

年表に沿ったり各フェーズごとの振り返りや小話をします。
長くなるので戻る方は上のリンクからどうぞ。

・カンブリア紀編・
作中時系列最初期の章であり全体で約6話と短い章でしたが特に思い入れの強い章です。
小学校高学年から中学生にかけて考えていた話で大人になるまでずっと温めていました。
長い間温めてると色々エピソードやキャラクターを盛りたくなるものですがグッとこらえて短く高密度に話を練り直しました。
小学校当初のまま進めていたら完成が10年どころではなくなってしまいますし単調なのでベストにまとめたつもりです。
小学生にしてはテーマやらなにやら重厚すぎですが、子供の頃にサイボーグ009や仮面ライダークウガ、アギトなんかに触れたせいです。
初模写は文庫本のロボット刑事なので子供の頃から石ノ森章太郎に影響されたせいでもあります。
変身ヒーローの生ものっぽい変身や怪人のゴロゴロ居る世界はいったいどう辻褄合わせをしてるのか子供心に気になって
このカンブリア紀編を考えるきっかけ、いつか形にして出力したいと思うきっかけに繋がりました。

・エニグマ編・
今作最後の章、作中あらゆる部分の謎を解き明かした締めくくりの章でした。
この章は高校生の頃考えたものでカンブリア紀編同様話の筋は考案当時からほぼそのまま、読みやすく削ったつもりで描きました。
学生の頃考えたのは世界線の移動を繰り返すテル=ビンを追いかけながらジョーがパラレルワールドの自分と出会いその世界の技術や能力を貰い
最終決戦でテル=ビンとケリをつけるというものでした。三つ目のエニグマのジョーや相棒のジェクターなどもこの頃すでに考えていたものです。

この頃から毎週金曜日にVIPで建てられる「厨二妄想スレ」というところに入り浸り顔の見えない相手と色んな話を見せ合ったり
設定のアドバイスなんかをお互いしあったり、出てきた読み物を楽しんだりする交流をしていました。
新都社に来るきっかけは2012年頃にスレへの書き込み規制が激しくなったり荒らしが出たりと交流が難しくなったため
他の創作関係のスレを探した時にようやく本スレを見つけたことでした。
それまで多分視界には入っていてもなんのスレなのかよくわからないのでスルーしていました。

・現代期編・
古巣の厨二妄想スレが崩壊したことで新都社に避難してきました。
絵も漫画もまるで描いたことが無かったのでまず戦闘員の時間(2013年)という作品でペンを持つことに慣れようとしました。
確か毎週8ページ、途中から12ページ以上描くようになったと思います。
当時は更新一回につき0〜1コメント数とかでしたが今にしてみれば妥当かなと思ってます。
53回描いたところで一応は完結のてい、その後出来に納得いかず削除してしまいましたが捨ておけない作品でした。

仕切り直しを図った2014年、全12回の狂魂で人を描くのに慣れようとして短編の「ま」でいろんな話を描く勉強をしました。
このときの読み切り版黒鉄城が当時の自分としては好評だったので2015年に長編ものとして描きました。
当時はまだダイナミックプロ系のロボット漫画オマージュはゲッターロボが攻勢でしたので「ならマジンガーオマージュはどうだ」と。
後年アニメーション映画として発表されたマジンガーZインフィニティをきっかけにマジンガーZ人気が再燃したのは嬉しかったです。
とはいえオマージュ頼りというのも心もとないので今作ではそういった要素は出来るだけオミット。
そうすると最初はイカレジャンキーだった主人公がもしかしたら作中比較的まともな部類になりました。2014年読み切りの主人公と大違いです。

2016年はまた短編集。この頃になると長編を描きながら短編の内容を考え、短編を描きながら長編の内容を考えるルーティンが出来ました。
現代期編に初めて小中学生の頃の作品の出だしである「カンブリア」と高校生の頃の作品「エニグマ」が姿を現します。
それと同時に作中時系列で一番重要な部位である「鉄神オーパート」の基盤も出来ました。
オカルトやSFを挟みながら2つ目の巨大ロボットものを考え2017年には縄文時代をテーマにした遺跡ロボットとそれを巡る2つの時代の話に挑戦しました。
まる一年がかりの作品でしたが当時画力の問題で色々諦めた展開もあり、描き足りないとも思っていました。
今作の鉄神オーパート編は当初やりたかった本来の鉄神オーパートという作品でもあります。

2018年。「星の残滓」という白色矮星の欠片をきっかけにダンタリオン襲来とサンダーワールドという2つのイベントが勃発する話を描きました。
エピソード間リンクの考え方はここで勉強しました。当時難しいと言われましたが今作でのリベンジではなるべく当時の反省を生かしました。
異人の「ま」に続いてラプラスの「ま」にて宇宙浪人のエピソードを描きましたが今と全然別人です。別の宇宙とでも思ってください。
年跨ぎ作品跨ぎのたゆたう登場は後に単独作を描くことで腰を落ち着けました。
星の残滓というアイテムと宇宙浪人というキャラクターが2つのイベントエピソードに関わることで世界観が少しまとまって見えてきました。
ラプラスの「ま」と戦闘員の時間は今作カンブリア叙事詩の制作土台を大きく構成しています。
また前作での単発キャラを各ジャンル勢力に振り分けたりチームアップさせることで各々個性を引き出せたと思っています。
この頃確かスーサイドスクワッドとバイプレイヤーズにドハマリしてた気がします。

2019年、いよいよ宇宙浪人本編です。
みんなやっぱり和風が好きなのか自分としては稀な反響でした。青海波を血飛沫に見立てたアイデアも好評でした。
実は昔から日曜日に戦隊もの、仮面ライダーと特撮を見たあとはプリキュアに行かず鬼平犯科帳を見ていました。
前後編の鬼平FINALがたまらなく渋く、かっこよかったので復讐劇と捕物帳を混ぜてみました。
鬼平FINAL後編のラストで鬼平がお偉いさんに労われ、また密偵を労う場面が情感たっぷりでこんなシーンを描きたくてたまりませんでした。
この頃アニメの鬼平も放送されていましたがそちらも楽しく視聴しました。お気に入りのエピソードは何といっても大川の隠居です。
長谷川平蔵を長年演じられてきた二代目中村吉右衛門はいつだって僕らのスターです。

2020年。正確には前年からですがとうとうカンブリア叙事詩が始まりました。
まずは新都社に投稿した作品の2014年から2019年までは短く過去の話としてまとめて、合間に新章の伏線も引き新エピソードをと計画していました。
序盤の方はむしろ過去作品と絡め過ぎたきらいがあるので今作を作り直す機会があるとしたら2014年周りを整理することと絵を綺麗にすることでしょう。
新キャラクターとして登場した冥界の番人ことギルガメッシュ、地底で眠るキャプテンエングラー(構想自体は小中学生の頃でしたが)
そして読み切り版や各短編にあたる年代で意図的に触れなかった連中で組み上げたギルガメンツ。持ち物を余すことなく使えた気がします。
他の長編の読み切りは除外で黒鉄城だけ特殊なのは2015年当時彼だけ黒鉄城のパワーアップエピソードに「最悪の未来」として登場したためです。
事実上同じ顔でも別のキャラクターという振り分けでした。

また読み返すと現代期編にカンブリア紀編とエニグマ編のキャラが割と食い込んできていることに気づきます。
これは鉄神オーパートの過去編よりもさらに過去から居る存在が今だに根付いているぞという作中での連続性と
昔考えたキャラに形と役目を与えてやりたい念から組み上げられたものです。

あえて作中時系列順ではなく一度作品発表順にしたのはまず見たことのあるキャラクターで作品に慣れて貰い
その後作中の歴史の深いところを知ってもらいたかったからでした。
それと同時に作品の更新順と時系列順両方で楽しんでもらえるようにアバン(最初の数ページのわちゃわちゃしてるとこ)と
エンディングブリッジ(話が終わってわちゃわちゃしてるとこ)で過去作品を挟む形にしました。
後になって知ったのですがこういう形は「枠物語」という形式らしくカンタベリー物語や千夜一夜物語といった古典にも使われている手法らしいです。
もしこのあとがきを読んだ方が作家で、複数作品があって一本にまとめたいという方がいたらこの「枠物語」という形式は非常にオススメです。
まるでパズルや積み木を組み上げてるような素朴な楽しみと、モンタージュを組み上げる興奮を一度に味わえます。

子供の頃から考えていた作品をようやく形に出来たこと、無事完成までこぎ着けたことは最高の喜びです。
最後に各作品に費やしたページ数を見ましょう。

本編ページ数

戦闘員の時間:636
狂魂:162
新短編の「ま」:63
黒鉄城:484
異人の「ま」:147
鉄神オーパート:565
ラプラスの「ま」:219
宇宙浪人:498
ロボ漫画描こう!:20
動画つくろう! :17
アップロード機能で投稿してみよう漫画:6
カンブリア叙事詩(現代期):885
草創期:37
神話期:34
箱舟期:36
エニグマ:87(94)
最終回:15
カンブリア叙事詩:1094

合計:3911ページ

イラストや表紙を含めたら軽く4000は行く数字です。
どれも楽しく最後まで描けました。

改めて9年間お付き合いいただきありがとうございました。
またいつかどこかでお会いしましょう。


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